「灰原…」
「何?」
いつもの調子で聞き返す哀。
しかし、口に何か挟んでいるのか、声が多少くぐもっている。
「まだ…?」
「ええ、まだね。」
コナンの儚い希望を湛えた声を一言の元に切って捨てる哀。
「オメェ…いくら貸しだからって…」
心の中だけで呟く。
――そんなに貸しをつくった覚えはねぇぞ!?
借りは返しなさい。
「あら、事件が起こると見境無く突っ込む推理フェチさんのお蔭でこっちはずいぶん迷惑したんだけれど?」
「うぅ…だからワリィって…あやま」
正論で切り返されて言葉に詰まるコナン。
確かに、彼は約束を破って人前で派手に推理劇を二回も繰り広げ、挙げ句の果てには約束の時間を三十分近くオーバーする。
その上、隠遁の身ということをすっかり忘れたのは他ならぬコナンである。
「ストップ。」
灰原の右手が突き出される。
そして、その手にはかき氷。逆の手にはダブルのプティングとストロベリーのアイス。
さっきくぐもった声になっていたのは、ストローが原因だったようだ。
――こうやって嬉しそうな顔がいつもできれば良いんだけどねぇ…。
いつもより二倍増し(経験比)でご機嫌な灰原の顔を見て思う。
こっちのセリフを口に出して言えば
彼女からもとても面白いリアクションがとれるコトだろう。
作者としても、是非その方向に持っていきたい。
がしかし、コナンの口から出てきた言葉は…
虎の尾を踏む
又は
ブービートラップを切る
そんな表現がお似合いな言葉であった。
「…ったく。そんなに食ったら…太るぞ。」
ボソッと。
ピクッ
「すいません!チョコパフェ1つ追加!」
「お、おいっ!。」(滝汗)
がすっ…
「何?」(--#
「っ!?…何でもありません…。」(-_-;)
コナンの顔を脂汗が伝う。
スネに、耐え難い激痛が走った。
「よろしい♪」(ニコッ)
見る人が見れば、天使の微笑み。
しかし、今のコナンには悪魔の嘲笑にしか見えなかった。
スネが…痛い。
♪〜
ハアァァァァ…
幸せそうな哀の顔をみて何も言えなくなるコナンであった。
――オレ、今月も金欠?
――ハハ…
引きつって乾いた笑いがコナンを今日も満たしていた。
(おしまい♪)
あとがき?
ども、Snowmanです。(^o^)/
いかがでしたか?みなみサンのらぶらぼ相互記念SSとしてTOP絵のSSを書かせていただきました。
こんな拙作でも、最後まで見ていただけたら最高です。