月は6月。 別名水無月だが今の日本は 6月は雨が降る季節ということがごく普通。 そんな6月のある日こんな出来事があった。 One under the small umbrella 「わーっ何か雨が降りそう! みんな歩美、傘持ってないから、先帰るね! ゴメンね〜!!!」 そう言って歩美は1人で走って行ってしまった。 「あ!ボクも傘持ってきてませんでした! 塗れるといけませんから先帰りますね!」 続けて光彦も歩美を追いかけて走っていってしまった。 「おいっ待てよ、歩美、光彦!」 元太もそう言って走っていってしまった。 小学校の放課後の教室に残っているのはそう、コナンと哀の2人だけ。 2人はどちらとも本を読んでいて、雨が降ってきた事には気づかないようだ。 しばらくして雨が降っているのに気がついたのは哀だった。 「あら、降って来ちゃったわね。多く降り出さない内に私帰るわね。じゃあね工藤君」 哀はそう言ってカバンを背負い、教室の出口の前まできた。 「おう、灰原、また明日な!」 コナンはまだ本を読むつもりらしく、哀に声を掛けるとまた本の方へと目を落とした。 哀が出て行ってから約3分後・・・ ザー・・・ ザー・・・ ザー・・・ 「お、けっこう降ってきやがったな」 コナンはそう言って窓の外を見た。 「あっ灰原だ!あれっアイツ傘持ってねぇのか?」 哀は雨の中を傘も挿さずに歩いていた。 コナンはすかさず窓を開けて叫んだ。 「おーいっ灰原!オレも一緒に帰るから待ってろ!」 哀はそう言うコナンを見つめていた。 コナンは教室の電気を消し、ドアを閉め、一目散に走った。 「はぁ、はぁ、はぁ・・・ったくオメー傘もってねぇなら言えよな!言ってくれたら貸してやったのに・・・」 哀の肩は雨の中歩いていたため、少し塗れている。 コナンはそれをタオルで拭いてやった。 「ったく・・・風引いたらどーすんだ?」 「あら、ありがと心配してくれて・・・」 「まーとりあえずよ、傘は1本しかねぇから これ貸してやるよ!返すのはいつでもいいからよ!」 それを聞くと哀はとまどいの表情になった。 「ん?どーした?」 「それじゃあ・・・あなたが塗れちゃうじゃない。そのせいであなたが風邪なんか引いたら洒落にならないわ。それも私のせいで・・・。それなら私が風邪引いた方がマシよ」 「じゃあ、2人でこの傘で帰るか?それならオレもオメーも風邪引く心配ねーし、一石二鳥ってやつじゃねえか?」 「え?(//////)」 (灰原が赤くなってる・・・?(//////)) 「彼女に誤解されても知らないわよ・・・」 「(素直じゃねーヤツ・・・)ああ、別にいいよ」 哀はコナンにそう言ってもらって嬉しかったが素直に表せず、その場から動きもせず、突っ立っていた。 するとコナンが哀の手を引いてこう言った。 「ホラ、早くしねーと雨に濡れなくても一緒だぜ?こんな寒い中にずっと立ってたらよ」 「・・・・・・・ありがと・・・・・・」 「え?」 「あ、ううん何でもないわ・・・」 こうして2人は小さな傘の下で寄り添って帰った。 END
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