「なんだよ」
「うわ、びっくりするじゃねぇか!」
「そっちが呼んだんだろ」
「呼んでねぇし!」
「呼んだんだよ、頭ん中で」
「………………」
「寒っ、よくこんな寒い所で突っ立ってられるね」
「ほっとけ」
「……星が綺麗だな」
「え、あぁ……オイラもそれを見てたんよ」
「冬は空気が澄んでるからね」
「寒い方が、綺麗に光るのか」
「そういうこと」

「変だな、あったけぇ方がいいに決まってるのに」
「………………」
「本当はあったかくなりてぇから、キラキラ光って自分の居場所を教えてんのかもな」
「……葉」
「お?」
「寒い方が綺麗に見えるというだけであって、星そのものの明るさが変わるわけじゃないんだよね。そういう基本的なとこ理解してるのかな、大体お前はモノを考えるレベルが……」
「あー判った判った!判ったからもう入ろう、だいぶ冷えてきたしな」
「……お前が呼んだくせに」