第3の被験者
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―米花公園―
「おっせえぞ、コナン!」
「待ちくたびれちゃいましたよ!」
元太と光彦が不機嫌そうに叫ぶと、
「わりーわりー、すっかり約束のこと忘れててよ…」
というなんとも情けない返事が帰ってきた。
「…どーせまた推理小説でも読んでたんでしょう?」
「………違うって…」
「…じゃあその間はなんなんですか!?」
「ま、まあまあ…とりあえず始めようよ…」
このままではヤバイと言うような表情をしながら、歩美が光彦を止めた。
「それでは、これより江戸川コナンvs哀羽優 PK戦を開始します!」
その瞬間、ピィィィィィ!と笛の音がなった。
―試合終了―
「はぁ…やっぱ負けたか…」
哀羽が溜息をつくと、コナンが
「負けたって1点差だろうが…やばかったって思うのはこっちだッつーの…」
とでも思っているような顔で哀羽を睨んでいた。
「…あ。もうこんな時間です。そろそろ帰らないと…」
光彦がふと時計を見ると、すでに針は16時45分を回っていた。
「いけなーい!早く帰らないとお母さんに怒られる!」
「俺もだぜ…」
元太達は、口々に行った後大急ぎで帰っていった。
「…で?好奇心旺盛な探偵さんと私と元同僚さんはどうするわけ?」
「……わりぃ、灰原…。今日泊めてくれ…」
「………俺も…。今日はちょっと博士に言っておきたいことがあるんだ…」
灰原はそれを聞いて、「はぁ…分かったわよ」と呟き、阿笠邸に向かった。
―阿笠邸―
「おお、お帰り哀く…おや?どうしたんじゃ、新一、哀羽くん」
「…そう言えば、どうして今日の帰りに彼、博士の名前知ってたの?」
「ああ…実は、哀羽くんは数週間前に新一くんの家の前で倒れていたのを見かけての…聞いたところ…組織の人間じゃと言ったんじゃ」
「なるほどね…。じゃあ、哀羽くんは博士に話しておきたいことがあるらしいから……、工藤くん、代わりに付き合ってもらうわよ」
灰原はそう言ってコナンを連れていった。
「…それで?話しとはなんじゃ?」
博士がソファに座り珈琲を飲んで聞いた。
「……はい。博士と知り合って数日後、組織の本部が移動した
という情報が手に入ったんです」
哀羽が言うと、博士が身を乗り出した。
「なんじゃと?…それにしても、よくそんな情報が…」
「俺の片割れ(相棒)が教えてくれたんです」
哀羽はそう言うと、話しを続けた。
「それで、相談なんですが…このビデオテープを預かっておいてくれませんか?」
「あ、ああ…別に良いが…なんじゃ?このテープ」
博士は哀羽が取り出したビデオテープを穴が空くほど見た。
「それは、俺が消えた時志保達に見せてください。
それに組織の情報を入れてあります」
「よし、分かった」
博士はそう言って私室に向かった。
「…ちっ、あいつもう組織本部の移動先を掴みやがった……兄貴!」
『…なんだ?』
「ブラッドの野郎どうしますか?」
『…なに分かりきったことを言っている…直ちに捕獲だ!』
「…そう言えば……宮…灰原がコナン連れて地下に入ってったな…。一体何なん…」
がしゃぁぁぁん…
「…なっ………うわっっ!?」
突如ガラスが割れ、哀羽は連れ去られた。
床にある文字を残して…
*続く*
…長い……長すぎる…
もっと考えとくべきでした。
まあ、多分もう1,2個ほどで出来ると思います。
そして、哀羽が残した文字って!?
それはまだ想像にお任せします。
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